アスベスト関連疾患

アスベストに関連する呼吸器疾患

アスベストとは石綿とも呼ばれる天然の鉱物で,非常に細い繊維状の物質です.耐熱性,耐火性に優れるため,建築用製材や工業用製品に用いられてきました.この繊維を吸入すると,様々な健康被害(表)が発生することが知られています.また,これらの疾患は,アスベストを吸入してから長い期間を経て発症してくるのが特徴です.

表:アスベスト吸入によって引き起こされる呼吸器疾患

肺病変 石綿肺
(じん肺の一種)
肺がん 円形無気肺など
胸膜病変 悪性胸膜中皮腫 良性びまん性胸膜肥圧 胸膜プラーク
(胸膜肥圧斑)
良性石綿胸水など

石綿肺

アスベストを吸入して15〜20年後に発症してくることが多い疾患で,じん肺の一種です.正常な肺の一部が線維化(せんいか)を起こし固くつぶれてくる病気で,進行すると呼吸不全に陥ることがあります.

肺がん

アスベストを吸入していると肺癌になる確率が高まります.たばこもリスクを高めますので禁煙が大切です.

円形無気肺

胸膜病変に合併してみられることがあります.胸膜に接して,円形の病変がみられますが,肺がつぶれている(無気肺)状態で,良性疾患です.がんとの鑑別が難しいことがあります.

悪性中皮腫

肺を取り囲む胸膜に発生する悪性腫瘍で,アスベストを吸入後20〜50年後に発症することが多い疾患です.胸膜は徐々に腫瘍細胞によって厚くなり,胸痛や呼吸困難,発熱などの症状を伴うことが多いです.胸膜生検によって診断します.

良性びまん性胸膜肥厚

肺を取り囲む胸膜が厚くなってくる疾患です.良性疾患ですが,悪性中皮腫との鑑別が難しいことがあります.診断は胸膜生検によって行います.経過観察されますが,広範囲に病変が及ぶと呼吸困難をきたすことがあります.

胸膜プラーク(肥厚斑)

胸膜の一部が限局性に厚くなるものをいいます.石灰化をきたす場合もあります.画像的に診断されることが多く,経過観察されます.

良性石綿胸水

アスベストが,胸膜を刺激し,胸水がたまってくる状態です.悪性中皮腫や,良性びまん性胸膜肥厚にも胸水を伴うことがあるため,胸腔鏡による検査を行う場合もあります.

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